Interview to Kouichi Okamoto
Desiner of FIELD RECORD


UNBYは、「鞄も人も中身が大事!」というコンセプトにもとづき、デザインだけでなく機能性もしっかりしたアイテムをセレクトするように心がけています。

そんなUNBYが多くのアイテムを見てきた中で、「これは!!」と思うブランドがありました。それが今回紹介する『FIELD RECORD』というアウトドアブランドです。トレッキングポールを骨組みとして使ったチェアに、何やら連結させることを前提としたシェルター……なぜこのような唯一無二なデザインをアウトドアという過酷なフィールドにおいて取り入れようと思ったのか。これは直接インタビューするしかない!

  そう思ったUNBYは、FIELD RECORDデザイナーの岡本氏にアイテムの秘密について話していただきました。

【FIELD RECORDデザイナー 岡本氏のアウトドア遍歴】

子供の頃からボーイスカウトやキャンプを経験。いわゆる第一次キャンプブーム世代。今のように快適なテントはなく、小さなテントに大人数で寝て、焚き火は直火で石で炉を作って飯盒するのが当たり前な幼少期を過ごす。

いつしか自身が使うテントを自作するようになり“使う楽しさから、作る楽しさ”へと変わっていった。
「キャンプはたいして美味しくない物でも最高に美味しく感じられる場所。僕はとにかく作る事が好きです。そしてキャンプでも山でも美味しいものが食べたいのです。なのでキャンプで過ごす時間の7割は食事の時間。少しくらい失敗した料理でも最高に美味しく感じるのがキャンプの魅力です!」

Q1:まさに新進気鋭という言葉がうまくフィットするFIELD RECORDさん。はじめてブランドを知る読者のために、まずはブランドの概要を教えてください。 FIELD RECORDは、kyouei designというモノづくりの会社が運営する2018年に発足したアウトドアブランドです。せっかく購入いただいたアイテムは長く愛用してもらいたいと考えており、大方のアイテムは確かなモノづくりをしていただける生産者さまと組んで国内生産にこだわっています。こうすることで、迅速に修理・交換ができる体制を整えました。 FIELD RECORDのロゴは大地の磁力や重力でグラフィックを描く装置であるマグネティックフィールドレコードで描いたものです。人々が過ごした大地での時間が豊かな記憶として刻まれ続ける事を願い、ブランド名をフィールドレコード(大地の記録)としています。



Q2: FIELD RECORDといえば、斬新なデザインが目を引きます。どのようなプロセスでこのようなアイデアにたどり着いたのでしょうか? -我々の母体はデザインプロダクトやアート作品を手がけるモノづくり会社で、アウトドアブランドではありません。今まで手がけてきたノウハウを生かして、今までにない、機能を形にするモノづくりができないか、趣味であるアウトドアで使えるものに落とし込めないかを考え、“オリジナル”であることを意識して製作にあたりました。そうして出来上がったのがFR-Chairです。

このアイテムは椅子のフレームにトレッキングポールを組み込む機能を持たせているのですが、このアイデアは私のアウトドア体験が元になっています。

これはスキーの休憩時間にふと思いつきました。休憩の際に椅子が欲しいなぁと思ってスキー板をクロスさせて雪に刺し、ストックを横にして椅子代わりにしたんです。その時にスキー板をトレッキングポールに変え、何本かフレームを足せば椅子ができると思いました。

この写真はFR-Chairだが、きっとこのような景色の中でアイデアは生まれたのでしょう。 このフィールドでのアイデアをブラッシュアップさせて誕生したのがFR-Chair。そして、さらにフレームをシンプルにして出来上がった新作の椅子がFR-chair triangleです。 FR-chair triangleはローとハイの2タイプでともに耐荷重100kg。3本のカーボンポールを採用し仕組みもシンプル化した。 盤面の収納サイズは、ローがW29cm x D8cm x H8cm、ハイがW34cm x D8cm x H8cm。

Q3 : 最後に、今後のFIELD RECORDさんの展望をお聞かせください。

現在FIELD RECORDの新商品開発も進めておりまして、UNBYファンの方々に届けられるのを、製作者一同楽しみにしております。また、あるアウトドアウェアブランドさまのキャンプギアの製作、そしてトレイルランナー望月将悟さんのテント製作が進行中です。

これからも、今までにない機能を形にしたアウトドアギア製作を進めて行きたいと思っておりますので、みなさまご期待ください!

【FIELD RECORDデザイナー岡本氏プロフィール】
2006年 共栄デザインを設立。

2010.2011年にブラジルで開催されたコンテンポラリーカルチャー「NOVA」の100人のアーティストに選出され、同年San Francisco Museum of Modern Artにてglass tankがパーマネントコレクションに選ばれる。2012年東京銀座のPOLA MUSEUM ANNEXにて個展を開催。同年、ロンドンのV&A museumにてmusical table,lighting chairを展示、ライヴパフォーマンスを行う。

2014年再びV&A museumにてMagnetic Field Recordが展示される。2016年Bookmark Light がGerman Design Award2017にてspecial mentionを受賞。

2018年 FIELD RECORDを立ち上げる。

同年、カナダグース Nomad Capsule Collection THROUGHOUT JAPANESE HISTORYに出演。同プロジェクトをMilan Design Weekにて "50 Words For Rain"としてアートディレクションを行う。2021年度版中学教科書“美術1”にて作品が掲載される。

FIELD RECORDのアイテムを見る >>
https://www.unby.jp/c/brand/unbyselect/FIELDRECORD